厚生年金の受給額早見表!年収や世帯別の目安と手取り額を徹底解説

厚生年金の受給額早見表!年収や世帯別の目安と手取り額を徹底解説

将来もらえる厚生年金がいくらになるのか、老後の生活費がまかなえるのか不安に感じていませんか。

自分の年収や働き方で受給額がどう変わるのか、できるだけ簡単に目安を知りたいという方は多いでしょう。

将来受け取れる厚生年金額は、加入期間や現役時代の標準報酬月額・標準賞与額などに基づいて決まります。

ただし、額面通りに受け取れるわけではなく、所得税や介護保険料などが天引きされるため、実際の手取り額は額面より少なくなります。

この記事では、年収や加入期間からおおよその金額がわかる厚生年金の受給額の早見表を紹介します。

さらに、単身や共働きなどの世帯別のシミュレーションや、老後資金が不足する場合のNISAやiDeCoを活用した資産形成の具体的な方法も解説します。

ご自身が将来受け取れる手取り額の目安を把握し、ゆとりある老後に向けた計画的な準備を始めましょう

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この記事の監修者
山口祐平 山口祐平 ファイナンシャルプランナー

宅地建物取引士 ファイナンシャルプランナー 証券外務員 の資格を持つ専門家。
証券や投資用不動産の販売において、卓越した商品分析力を発揮し、幅広い商品知識を駆使して顧客に最適な投資プランを提案している。
商品特性の深い理解に基づき、複雑な金融商品や不動産投資に関するニーズに対応し、信頼性の高いコンサルティングを提供。
これまで培ってきた知識と経験をもとに、顧客の資産形成に寄与している。

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目次

厚生年金と国民年金の違いと受給額の基本構造

将来の生活費をまかなえるか考える際、まずは日本の公的年金制度の全体像を正しく把握することが非常に重要です。

ご自身のこれまでの働き方や現在加入している制度によって、将来受け取れる年金額の計算方法やベースとなる金額が大きく変わってきます。

例えば、会社員と自営業では適用される年金制度の階層が異なるため、老後に毎月受け取れる金額に明確な差が生じる仕組みになっています。自分に合った運用方法を専門家に相談したい方は、資産運用の相談先や選び方について以下の記事で詳しく解説しています。

老後資金の不安を解消するためには、自分がどの制度に属していて、どのような基準で受給額が決まるのかを知ることから始める必要があります。

公的年金制度の基本

日本の公的年金制度は、働き方によって加入する制度が異なります。

自分がどの制度に属し、どのような基準で受給額が決まるのかを知ることが老後対策の第一歩です。

以下では、年金制度の基本的な構造や、将来の受給額を左右する具体的なルールについて詳しく解説します。

日本の公的年金制度は国民年金と厚生年金の2階建て構造である

日本の公的年金は、原則として多くの人が加入する基礎年金と、会社員などが加入する厚生年金の2階建て構造になっています

1階部分にあたる国民年金は、原則として日本に住む20歳から60歳未満の人が加入する基本的な制度です。

2階建て構造の仕組み
  • 1階部分:20歳から60歳までの全員が加入する国民年金(基礎年金)
  • 2階部分:会社員や公務員が上乗せで加入する厚生年金(報酬比例)

そして2階部分の厚生年金は、会社員や公務員が勤務先を通じて加入する報酬比例の上乗せ制度を指します。

例えば、ずっと自営業だった人は1階部分の基礎年金のみを受け取ることになり、老後の受給額が少なくなる傾向にあります。

一方で、会社員として長く勤務した人は1階と2階の両方を受け取れるため、生活費の基盤をより強固にできます。

ご自身のこれまでの働き方を振り返り、まずはどちらの公的年金制度に加入している期間が長いのかを改めて確認してみてください。

※受給額は報酬水準や加入期間によって異なります。

厚生年金の受給額は加入期間と過去の平均年収によって決まる

厚生年金として将来受け取れる金額は、会社員として働いた期間の長さと平均的な収入水準によって決定されます。

具体的には、給与や手当を一定の幅で区分した標準報酬月額や、賞与をもとにした標準賞与額などに所定の乗率を掛けて計算されます。

受給額が決まる要素
  • 会社員として働いた期間の長さ
  • 現役時代の平均的な収入水準(標準報酬月額)

現役時代の給与が高く長く働くほど納める保険料の負担は増えますが、その分将来受け取れる年金額も増えます。

そのため、老後の生活を支える収入源の一つとなります。

例えば、20代から定年まで会社員として勤め上げた場合と、途中で独立して自営業になった場合とでは、老後の受給額に数百万円単位の差が生まれることも珍しくありません。

複雑な計算式に戸惑うかもしれませんが、基本的には厚生年金の加入期間が長いほど、将来の受給額は増えやすくなります。

毎年誕生月に届くねんきん定期便などを活用して、ご自身のこれまでの加入実績を定期的に把握しておくことをおすすめします。

マクロ経済スライドなどの制度改正が将来の受給額に影響する

将来受け取れる年金額はずっと固定されているわけではなく、社会情勢の変化に合わせて自動的に調整される仕組みが導入されています。

その代表的なものがマクロ経済スライドと呼ばれる、現役世代の人口減少や平均余命の伸びに合わせて年金の給付水準を調整する仕組みです。

マクロ経済スライドとは

現役世代の人口減少や平均余命の伸びに合わせて、年金の給付水準を自動的に調整する仕組みです。

物価が上昇しても年金額が同じ割合では増えないため、実質的な価値が目減りするリスクがあります。

この制度が適用されると、世の中の物価が上昇しても年金額が同じ割合では増えないため、受け取る年金の実質的な価値が目減りする可能性があります。

物価高騰の中で将来もらえる金額が実質的に減ってしまうのではないかと、老後の生活費に対して不安を感じる方も多いはずです。

例えば、現在の試算でゆとりのある生活ができる予定でも、数十年後には同じ金額で買えるものが少なくなっているかもしれません。

公的年金制度の変動リスクを正しく理解したうえで、将来の不足分を補うためにNISAやiDeCoを活用した個人的な資産形成を早めに検討しましょう。

年収と加入期間でわかる厚生年金受給額の早見表

将来の老後資金を具体的にイメージするためには、ご自身の年収や加入期間に基づいた厚生年金の受給額を把握することが不可欠です。

厚生年金の受給額は、現役時代の平均年収と保険料を納めた期間に比例して増加する仕組みとなっています。

例えば、新卒から定年まで同じ会社で長く働き続けた人と、途中で独立して自営業になった人とでは、将来のベースとなる金額が大きく異なります。

現在の収入水準を当てはめるだけで、将来の年金収入がどのくらいになるのかおおよその見当をつけることが可能です。

受給額の決まり方
  • 現役時代の平均年収に比例して増加する
  • 保険料を納めた期間の長さに比例して増加する

老後の生活設計を立てるうえで、まずはご自身がどのパターンに当てはまるのかを確認してみてください。

以下では、代表的な年収帯や加入期間のパターンごとに、実際に受け取れる年金額の目安を詳しく解説します。

平均年収300万円から500万円の人が受け取れる年金の目安

平均年収や加入期間によって異なりますが、老齢基礎年金を含めた年金額の目安として、月額10万円台になるケースがあります。

厚生年金の受給額は、報酬比例部分という過去の給与水準に応じた計算式によって算出される仕組みが設けられています。

平均年収受給額の目安(月額)
300万円〜500万円約10万円〜14万円

この報酬比例部分とは、現役時代の給与や賞与の額に応じて将来もらえる年金額が計算される部分を指します。

例えば、平均年収400万円で40年間会社員として働いた場合、国民年金と合わせて月に約14万円の収入が見込めます

ただし、この金額はあくまで額面であり、実際の手取り額は税金などが引かれて少なくなる点には注意が必要です。

所得税や住民税、介護保険料などが天引きされるため、額面金額から約10〜15%引かれた金額が実際の手取り額となります。

まずはご自身の現在の年収に近い金額を参考に、老後のリアルな生活水準をイメージしてみてください。

※実際の手取り額は、年金額や年齢、扶養状況、各種控除、居住自治体の保険料などによって異なります。

平均年収600万円から1,000万円の人が受け取れる年金の目安

平均年収600万円から1,000万円の高所得者層の場合、老齢基礎年金を含めた年金総額で月額15万円から20万円以上を受け取れる可能性があります。

実際に、現役時代の納付額が多ければ多いほど、将来の年金受給額もそれに比例して手厚くなる制度設計となっています。

高所得者の年金の特徴
  • 月額15万円から20万円以上を受け取れる可能性がある
  • 標準報酬月額に上限があるため、年収が青天井で増えても年金は無制限には増えない

実は、年収が青天井で増えれば年金も無制限に増えるわけではなく、標準報酬月額という上限が設定されています。

標準報酬月額とは、毎月の給与などの報酬を一定の幅で区分した金額のことで、保険料や年金額の計算の基礎となるものです。

例えば、年収が1,000万円を超えても標準報酬月額の上限に達するため、年収800万円の人と受給額に大きな差が出ないケースも存在します。

標準報酬月額や標準賞与額には上限があるため、年収が高くなるほど年金額が無制限に増えるわけではありません。

現役時代と同じ支出水準を維持すると、年金額や保有資産によっては収支が赤字になる可能性があります。

公的な年金収入に頼り切らず、早いうちからNISAなどを活用した資産形成も併せて検討しましょう。

早期リタイアなどで厚生年金の加入期間が短い場合の受給額目安

早期リタイアや転職などで厚生年金の加入期間が短い場合、将来の受給額は標準的なモデルケースよりも大幅に減少します

厚生年金の計算式は加入月数が直接掛け合わされるため、加入期間が短縮されると受給額にダイレクトに影響を及ぼします。

早期リタイアの影響

厚生年金の加入期間が短くなると、計算式に直接影響するため受給額が大幅に減少します。

老齢年金を受け取るには、国民年金や厚生年金などの保険料納付済期間等を合算した「受給資格期間」10年以上必要です。

この10年の資格期間を満たしたうえで、厚生年金の加入期間が1ヶ月以上あれば、老齢厚生年金を受給することができます。

受給資格期間とは、国民年金や厚生年金などの公的年金制度に加入して保険料を納めた期間の合計を指します。

例えば、30歳で会社を辞めて自営業になった場合、その後の期間は国民年金のみの加入となります。

そのため、定年まで会社員を続けた場合と比較すると、月に数万円単位で年金収入が減るのが現実です。

もちろん、厚生年金の加入期間が短くても、国民年金保険料を納めた期間などに応じて、受給資格を満たせば基礎年金を受け取れます。

ご自身の正確な加入月数をねんきん定期便で確認し、不足分を補うための具体的な貯蓄計画を立てていきましょう。

税金と社会保険料を引いた厚生年金の手取り早見表

将来の生活設計を立てる際、年金の額面金額だけでなく実際の手取り額を把握することが非常に重要です。

多くの方が、毎年届くねんきん定期便に記載されている受給見込額をそのまま全額受け取れると考えてしまいがちです。

しかし、現役時代の給与と同じように、公的年金からも税金や社会保険料が差し引かれる仕組みが取られています。

そのため、あらかじめ天引きされる金額を見込んでおかないと、老後の資金計画に大きな狂いが生じてしまいます。

年金から引かれるもの
  • 所得税や住民税などの税金
  • 国民健康保険料や介護保険料などの社会保険料

例えば、毎月20万円もらえると想定して生活費を計算していると、実際の入金額を見て焦ってしまう可能性があります。

年金だけで余裕のある生活を送るのは難しいケースが多いため、正しい入金額を把握した上で対策を練る必要があります。

以下では、年金から引かれる具体的な項目と、手取り額の目安について詳しく解説します。

年金の額面金額から所得税や住民税などの税金が差し引かれる

公的年金は雑所得という扱いに分類されるため、原則として所得税や住民税の課税対象となります。

そのため、一定の金額以上の年金を受け取る場合、あらかじめ税金が計算されて支給額から差し引かれます。

年金にかかる税金
  • 公的年金は雑所得として所得税や住民税の課税対象となる※1
  • 障害年金や遺族年金は非課税となる

現役時代の給与から源泉徴収されていたのと同じように、年金も税引き後の金額が口座に振り込まれる仕組みです。※2

税金が引かれることで手取り額は減りますが、確定申告の手間が省けるという側面もあります。※3

ただし、障害年金や遺族年金など一部の年金は非課税となるため、ご自身の受給する種類を確認してください。

毎年送られてくる源泉徴収票を確認し、必要に応じて確定申告を行うことをおすすめします。

※1:実際に税金がかかるかどうかは年齢、年金額、扶養状況、各種控除、住民税の地域区分などによって異なります。
※2:年金額や各種控除によっては税金がかからないこともあります。
※3:源泉徴収されていても、年金以外の所得や控除の状況によっては確定申告が必要、または申告により還付を受けられる場合があります。

国民健康保険料や介護保険料も年金から天引きで徴収される

税金に加えて、医療保険や介護保険の保険料も年金から直接差し引かれるのが一般的なルールです。

これを特別徴収と呼び、受給者が自分で窓口に支払いに行く手間を省き、納め忘れを防ぐ目的で実施されています。

特別徴収とは

医療保険や介護保険の保険料が、年金から直接天引きされる仕組みのことです。

自分で支払いに行く手間が省け、納め忘れを防ぐメリットがあります。

銀行やコンビニへ毎月納付しに行く負担がなくなるため、高齢の方にとっては利便性の高い制度と言えるでしょう。

具体的には、65歳以上のすべての方にかかる介護保険料や、後期高齢者医療制度の保険料などが該当します。

例えば、お住まいの市区町村によって保険料率は異なりますが、毎月数千円から一万円程度が天引きされるケースが多いです。

手取り額が減って驚かないよう、お住まいの地域の保険料率を事前に自治体の窓口やホームページで確認しておきましょう。

※年金額などの要件を満たさない場合は、納付書や口座振替による普通徴収となります。

額面金額から約10%から15%引いた額が手取りの目安

結論として、老後に実際に受け取れる手取り額を見積もるなら、額面金額の約85%から90%程度を目安に考えると、生活設計を立てやすくなります。

手取り額は条件によって異なりますが、額面から税金や社会保険料が差し引かれる可能性を考慮して試算することが大切です。

所得税や住民税、社会保険料の合計額が、おおむね額面の10%から15%を占める計算になります。

手取り額の計算
  • 税金と社会保険料で額面の約10〜15%が引かれる
  • 実際の手取り額は額面の約85〜90%程度になる

例えば、額面で月額20万円の厚生年金を受け取る場合、手元に入る金額は約17万円前後となるケースもあります。

差し引かれる金額によっては、食費や光熱費などの生活費に影響する可能性があります。

不足する生活費については、現役時代からNISAやiDeCoなどを活用して計画的に補う準備を進めていくことが大切です。

ねんきん定期便の見込額を確認したうえで、税金や自治体の社会保険料を個別に試算し、手取り額を把握してください。

※実際の手取り額は税金や社会保険料の条件によって異なります。

単身や夫婦など世帯状況別の厚生年金受給シミュレーション

将来の老後資金を具体的にイメージするためには、ご自身の世帯状況に応じた受給額の目安を把握することが重要です。

配偶者の働き方や単身かどうかによって、世帯全体で受け取れる年金額のベースとなる仕組みが大きく変動します。

例えば、夫婦ともにフルタイムで長期間働いた場合と、片方が長年扶養に入っていた場合では、老後の生活資金の総額根本的に異なります

ご自身のライフスタイルと照らし合わせながら、以下で紹介する世帯別のシミュレーション結果を確認してみてください。

世帯別の受給額の違い
  • 配偶者の働き方によって世帯全体の受給額が大きく変わる
  • 共働き世帯は世帯全体の受給額が増える可能性がある
  • 単身者は自身の年金のみが収入の柱となる

会社員の夫と専業主婦の妻が受け取れる夫婦の合計受給額目安

夫が会社員で妻が専業主婦の世帯では、夫の厚生年金と基礎年金に加えて、妻の基礎年金を合わせた金額が世帯全体の受給額となります。

専業主婦は第3号被保険者と呼ばれる制度の対象となり、自身で保険料を納めなくても将来の年金を受け取れる仕組みが設けられています。

第3号被保険者とは

会社員や公務員に扶養されている配偶者を指す制度です。

自身で保険料を直接負担しなくても、将来の基礎年金を受け取れるメリットがあります。

第3号被保険者とは会社員や公務員に扶養されている配偶者を指し、保険料の直接負担なしで基礎年金を確保できる点が大きなメリットと言えます。

夫の平均年収が500万円で40年間働き、妻が40年間専業主婦だった場合、世帯合計で月に約22万円から23万円程度の年金を受け取れる計算になります。

この金額があれば、質素な生活を送るうえでの基本的な支出はまかなえる可能性が高いでしょう。

ただし、妻の年金には厚生年金部分の上乗せがないため、ゆとりある生活を送るにはやや心もとない金額となる点には注意が必要です。

世帯全体の受給額を正しく把握したうえで、老後に向けた家計の見直しを進めてみてください。

※専業主婦・専業主夫であれば自動的に第3号被保険者になるわけではありません。厚生年金加入者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者で、収入などの要件を満たす必要があります。

夫婦ともに会社員として働いた共働き世帯の合計受給額目安

夫婦がともに会社員として働いた世帯は、それぞれが厚生年金を受け取れるため、老後の資金確保において比較的手厚い年金収入を見込みやすいでしょう。

2人とも第2号被保険者として保険料を納める期間が長くなるほど、世帯全体の受給額が比例して増加する仕組みです。

共働き世帯のメリット
  • 夫婦それぞれが厚生年金を受け取れる
  • 基礎年金に加えて報酬比例部分が上乗せされるため、ゆとりある老後を実現しやすい

第2号被保険者とは厚生年金に加入している会社員や公務員を指し、基礎年金に加えて報酬に比例した年金が上乗せされるため、ゆとりある老後生活を実現しやすくなります。

例えば、夫の平均年収が500万円、妻の平均年収が400万円でそれぞれ40年間働いた場合、夫婦合わせた月の受給額は30万円を見込めるケースもあります。

一方で、現役時代から世帯収入が多かった分だけ生活水準が高くなっており、年金生活に入った途端に収支のバランスが崩れるという落とし穴も存在します。

夫婦それぞれのねんきん定期便を確認し、世帯全体の受給見込額を正確に計算しておきましょう。

会社員として働いた単身者が老後に受け取れる受給額の目安

単身の会社員の場合、ご自身の厚生年金と基礎年金のみが老後の収入の柱となります。

配偶者の年金が合算されないため、現役時代の平均年収と厚生年金の加入期間が、将来の生活水準に直結するシビアな状況と言えます。

単身者の注意点
  • 自身の年金のみで生活費をまかなう必要がある
  • 賃貸住宅に住み続ける場合、固定費の支払いで家計が赤字になるリスクが高い

1人分の年金だけで家賃や生活費をすべてまかなえるのか、漠然とした不安を抱える方も多いかもしれません。

平均年収が500万円で40年間会社員として勤め上げた場合、月に受け取れる年金額の目安は約15万円から16万円程度となります。

持ち家がなく賃貸住宅に住み続ける場合、この金額だけでは毎月の固定費の支払いで家計が赤字になる可能性が高い点には注意が必要です。

生活費の不足分を補うために、家計状況やリスク許容度を確認したうえで、iDeCoなどを活用した計画的な資産形成を始めることをおすすめします。

ねんきん定期便やネットを活用して正確な受給額を確認する手順

将来の老後資金について考える際、ご自身の正確な年金受給額を早い段階で把握しておくことが非常に重要です。

これまで紹介した早見表は全体的な目安を知るのに役立ちますが、個人の働き方によって実際の金額は大きく変動します。

そのため、ご自身の加入記録に基づいた正確なデータを確認するステップが欠かせません。

例えば、過去に転職を経験した方や未納期間があった方は、標準的なモデルケースとズレが生じやすくなります。

正確な受給額の確認方法

個人の働き方や未納期間によって実際の年金額は大きく変動します。

ねんきん定期便やねんきんネットを活用し、自身の正確なデータを把握することが重要です。

このような個別の事情を正確に反映した数値を把握することで、老後に向けたより現実的な資金計画を立てることが可能になります。

公的な通知やオンラインサービスを上手に活用すれば、複雑な計算をすることなくご自身の状況を簡単に確認できます。

以下では、それぞれの詳細について解説します。

毎年誕生月に届くねんきん定期便でこれまでの加入実績を確認する

ご自身の正確な年金記録を把握するなら、毎年届くねんきん定期便を確認するのが良いでしょう。

ねんきん定期便には、これまでの保険料の納付実績や加入期間といった重要なデータが詳細に記載されている仕組みになっています。

ねんきん定期便でわかること
  • これまでの保険料の納付実績や加入期間
  • 50歳未満:これまでの加入実績に基づく年金額
  • 50歳以上:現在の年金加入条件が60歳まで継続すると仮定した見込額

そのため、ご自身が将来受け取れる年金額のベースとなる情報を、手元で簡単に確認することが可能です。

例えば、50歳未満の方であればこれまでの加入実績に基づく年金額が記載され、現在の状況を客観的に把握するのに役立ちます。

一方で50歳以上の方には、現在の収入が60歳まで続いたと仮定した見込額が表示されるため、老後の生活をより具体的にイメージできます。

万が一記録に誤りがあった場合、将来もらえるはずの年金が減ってしまうリスクがある点には注意が必要です。

手元にハガキや封書が届いた際は放置せず、必ず開封してご自身の記録に間違いがないかチェックすることをおすすめします。

ねんきんネットのシミュレーション機能で将来の受給額を計算する

将来のライフプランに合わせたより詳細な受給額を知りたい場合は、ねんきんネットのシミュレーション機能の活用を検討してみてください。

このサービスを利用することで、今後の働き方や受給開始年齢の変更など、個人の希望に応じたさまざまなパターンの年金額を自動で算出できます。

ねんきんネットのメリット
  • 個人の希望に応じたさまざまなパターンの年金額を自動算出できる
  • 繰り上げ受給や繰り下げ受給をした場合の変化を簡単に比較できる
  • マイナポータルと連携してスムーズにログインできる

ねんきん定期便の記載内容よりも、さらに踏み込んだ条件設定ができる点が大きな強みとなっています。

例えば、65歳で受け取る標準的な金額だけでなく、60歳に前倒しする繰り上げ受給をした場合の変化も簡単に比較可能です。

もちろん、受給を遅らせる繰り下げ受給を選択した際の増額幅も確認できるため、最適なタイミングを見極めるのに役立ちます。

利用にはアカウントの作成が必要ですが、マイナポータルと連携させることでスムーズにログインする仕組みが整っています。

老後の生活費に対する漠然とした不安を解消するためにも、まずはご自身の端末からアクセスして将来の金額を計算してみましょう。

老後資金の不足に備えて年金受給額を増やす方法

将来の生活費に不安を感じる場合、年金受給額を主体的に増やす対策を講じることが重要です。

老後の資金不足を解消するためには、公的年金制度に用意されている仕組みを最大限に活用する必要があります。

実際に、働く期間を延ばしたり受け取り時期を調整したりすることで、将来の経済的な負担を大きく軽減できます。

例えば、毎月の受け取り額が数万円増えるだけでも、医療費や日々の食費のゆとりに直結するでしょう。

年金を増やす方法

公的年金制度の仕組みを最大限に活用することで、将来の受給額を主体的に増やすことができます。

受け取り時期の調整や働く期間の延長が、経済的な負担軽減に直結します。

以下では、具体的な制度を活用して年金を増やすための方法について詳しく解説します。

年金の受け取り開始年齢を遅らせる繰り下げ受給で割増率を上げる

受給額を増やしたい場合、繰り下げ受給の活用が考えられます。

繰り下げ受給とは、原則65歳から受け取れる年金を66歳以降に遅らせて受け取る制度のことです。

繰り下げ受給の効果
  • 受け取りを1ヶ月遅らせるごとに0.7%ずつ受給額が増額される
  • 70歳まで待てば、本来の金額より42%増えた年金を一生涯受け取れる

この制度を利用すれば、受け取りを1ヶ月遅らせるごとに0.7%ずつ受給額が増額される仕組みが適用されます。

そのため、長生きに対する経済的な備えをより強固に構築できると言えるでしょう。

例えば、70歳まで受け取りを待てば、本来の金額よりも42%増えた年金を一生涯受け取り続けることが可能です。

手元の資金が減ることに焦りを感じるかもしれませんが、将来の収入源を増やすための有力な選択肢となります。

ただし、増額された年金に対しては税金や社会保険料の負担も大きくなる点には注意が必要です。

ご自身の健康状態や現在の貯蓄額と相談しながら、最適な受給開始のタイミングを検討してみてください。

定年後も厚生年金に加入して働き続けることで受給額を増やす

定年後も厚生年金の加入要件を満たして働くことで、加入期間や報酬に応じて将来の年金額が増える場合があります。

厚生年金は、加入期間が長くなり保険料を納めるほど、将来受け取る金額のベースに反映される仕組みとなっています。

定年後も働くメリット
  • 収入を得ながら将来の年金額も増やせる
  • 60歳以降も月収20万円で5年間働けば、年間約6万円以上が上乗せされる

長く働くことで収入を得ながら年金も増やせるため、老後の資金計画に大きなゆとりが生まれます。

例えば、60歳以降も月収20万円で5年間働き続ければ、年間で約6万円以上も年金が上乗せされます。

体力的な不安を感じる方も多いかもしれませんが、時短勤務や週3日勤務など柔軟な働き方を選ぶことも一つの手です。

一方で、働きながら受け取る年金額が一定基準を超えると、年金の一部または全額が停止される在職老齢年金という制度が存在します。

今の職場で利用できる再雇用制度などを確認し、無理のない範囲で働き続けることを検討しましょう。

一定の条件を満たす配偶者や子がいる場合は加給年金が上乗せされる

扶養している家族がいる場合、加給年金という制度を利用して受給額を増やせる可能性があります。

加給年金とは、厚生年金に20年以上加入している人が65歳になった際に支給される家族手当のような年金のことです。

加給年金とは

条件を満たす配偶者や子どもがいる場合に、本来の年金額に上乗せされる家族手当のような制度です。

条件を満たして加給年金が加算されれば、家計の負担軽減につながる可能性があります。

条件を満たす配偶者や子どもがいる場合に上乗せされるため、老後の生活費を大きく支えてくれます。

実際に、本来の年金額に対して年間で約40万円近くが加算される仕組みが設けられています。※1

例えば、年下の専業主婦の妻がいる場合、妻が65歳になるまでの期間ずっとこの手当を受け取り続けることが可能です。※2

生活費の負担が大きい時期に手厚い支援を受けられるため、家計のやり繰りが非常に楽になるでしょう。

自動的に支給されると誤解されがちですが、実際にはご自身で年金事務所へ申請を行う必要があります。

ご自身の世帯が要件を満たしているか事前に確認し、受給開始の手続きを忘れずに行ってください。

※1:加給年金額は対象者や受給者の生年月日によって異なり、配偶者分には基本額に特別加算が付く場合があります。
※2:生計維持関係や配偶者自身の年金受給権などの要件を満たしている期間に限ります。

公的年金だけで老後の生活費をまかなうのが難しい場合、年金以外の資産形成で不足分を補う準備が不可欠です。

長寿化が進む現代において、将来の経済的な不安を解消するためには、早い段階から計画的に資金を育てる視点が求められます。

実際に、国が推奨する税制優遇制度や共済制度を活用することで、効率よく老後資金を準備できる仕組みが整っています。

例えば、毎月数万円ずつでも現役時代から積み立てを始めることで、複利効果を活かした長期の資産形成につなげやすくなります。

資産形成のポイント
  • 早い段階から計画的に資金を育てる
  • 税制優遇制度を活用して効率よく準備する
  • 複利効果を活かして将来の資産を築く

もちろん、それぞれのご家庭の収支状況やリスク許容度によって、適した方法は大きく異なります。

自分に合った運用方法を専門家に相談したい方は、資産運用の相談先や選び方について以下の記事で詳しく解説しています。

次章では、老後資金の準備に役立つ代表的な資産形成の方法について詳しく解説します。

非課税枠を活用できるNISAで老後に向けた長期投資を行う

効率的に老後資金を増やす手段として、運用益が非課税になるNISAの活用を検討してみてください。

通常、投資で得た利益には約20%の税金がかかりますが、NISAの非課税投資枠内で得た売却益や配当金などは非課税になります。

NISAの特徴
  • NISA口座内の対象商品から得た売却益や配当等は、原則として国内では非課税になる
  • 運用期間が長くなるほど非課税のメリットが大きくなる
  • 元本割れのリスクがあるため、長期的な積み立て投資が推奨される

運用益が生じた場合、運用期間が長いほど非課税の恩恵が大きくなる可能性があります。

ただし、投資である以上は経済状況によって元本割れのリスクが伴う点には注意が必要です。

そのため、まずは少額からでも無理のない範囲で、長期的な積み立て投資を始めてみることをおすすめします。

掛金が全額所得控除になるiDeCoで節税しながら老後資金を作る

老後資金の準備と税負担の軽減を両立させたい方にとって、iDeCoは選択肢の一つです。

なぜなら、老後資金の準備と節税を両立しやすい制度の一つだからです。

iDeCoは自分で設定した掛金を運用する私的年金制度であり、拠出した金額が全額所得控除の対象となります

iDeCoのメリット

拠出した掛金が全額所得控除の対象となり、毎年の所得税や住民税の負担を軽減できます。

節税しながら老後資金を作れますが、原則として60歳まで引き出せない制限があります。

税金の計算上、将来のための貯蓄をしながら毎年の所得税や住民税の負担をダイレクトに軽減できる仕組みが設けられています。

仮に毎月2万円を積み立てた場合、年収によっては年間で数万円の税金が安くなり、浮いたお金を生活費に回すことも可能です。

一方で、老後資金の確保を目的としているため、原則として60歳まで引き出せないという強い制限があります。

将来に向けた資金準備の一つとして、現在の家計に無理のない金額で掛金を設定しましょう。

※受け取り時には税金がかかるケースがあることや、口座維持などの各種手数料がかかる点、元本割れのリスクも考慮する必要があります。

個人年金保険や小規模企業共済を活用して計画的に資金を準備する

投資リスクを抑えつつ着実に老後資金を準備したい場合は、個人年金保険や小規模企業共済が有力な選択肢となります。※1

個人年金保険は毎月決まった保険料を支払い、将来年金として受け取る仕組みであり、元本割れのリスクを低く抑えられます。※2

その他の資産形成
  • 個人年金保険:元本割れリスクが低く、生命保険料控除の対象になる
  • 小規模企業共済:自営業やフリーランス向けで、掛金が全額所得控除になる

さらに、支払った保険料は生命保険料控除の対象となるため、一定の枠内で税負担を軽くする効果が期待できます。

また、自営業やフリーランスの方であれば、掛金が全額所得控除になる小規模企業共済を利用するのも一つの手です。

例えば、個人事業主が毎月数万円を掛金として納めることで、将来の廃業時や退職時にまとまった資金を受け取れるため安心です。

ご自身の職業や許容できるリスクの度合いに合わせて、これらの制度をバランスよく組み合わせてみてください。

※1:途中解約時の元本割れやインフレなどのリスク、加入要件を確認する必要があります。
※2:途中解約や商品内容によって元本割れのリスクがあります。

厚生年金の受給額や計算に関するよくある質問

将来の生活設計を進めるうえで、ご自身の年金に関してさまざまな疑問や不安を抱える方は少なくありません。

公的年金制度は複雑な仕組みが多く、平均的なデータや個別のケースに対する正しい知識を持っておくことが、老後の不安を解消する第一歩となります。

例えば、平均的な受給額を知ることで自分の立ち位置を把握できたり、働き方の変化が将来の年金にどう影響するかを予測できたりします。

以下では、年金の受給額や計算方法に関して多くの方が疑問に感じるポイントについて、詳細に解説します。

Q. 厚生年金の受給額の平均は毎月いくらですか?

厚生労働省が公表しているデータによれば、厚生年金の平均受給額は月額で約14万円前後と言えるでしょう。

この金額には、すべての国民が共通して受け取る基礎年金と呼ばれる国民年金部分も含まれた合計額となっています。

平均受給額のポイント
  • 厚生年金の平均受給額は月額で約14万円前後(基礎年金含む)
  • 現役時代の平均年収や加入期間によって個人差が非常に大きい

実際に、現役時代に平均的な収入を得て定年まで勤め上げた会社員の場合、毎月この程度の金額が生活費のベースとして振り込まれるイメージです。

ただし、厚生年金は現役時代の平均年収や保険料を納めた加入期間によって計算されるため、個人差が非常に大きく出る点には注意が必要です。

例えば、現役時代の給与が高かった方や、共働きで夫婦ともに長く会社員を続けた世帯であれば、平均を大きく上回る金額を受け取ることができます。

一方で、加入期間が短い場合や自営業の期間が長かった場合は、平均額を下回るケースも珍しくありません。

あくまで目安となる平均値として捉え、ご自身の正確な受給額はねんきん定期便などを活用して確認するようにしましょう。

Q. 自分の年金だけで老後2,000万円問題は解決できますか?

公的年金だけで老後の生活費をすべてまかない、いわゆる老後2,000万円問題を完全に解決するのは難しいケースが多いと言えます。

総務省の家計調査などの統計を見ても、高齢の無職世帯における毎月の支出に対して、年金収入だけでは数万円の赤字が発生する傾向が示されています。

老後2,000万円問題の対策

年金収入だけでは毎月数万円の赤字が発生する傾向があり、公的年金だけで解決するのは困難です。

NISAやiDeCoなどを活用し、早い段階から計画的に資産形成を始めることが重要です。

例えば、毎月の家計が5万円の赤字だと仮定してみましょう。

定年退職後の20年間で約1200万円、30年間であれば約1800万円の蓄えが別途必要になる計算です。

もちろん、勤務先から支給される退職金の有無や、老後に希望する生活水準によって、実際に不足する金額は大きく変動します。

また、住宅ローンの完済状況や、大きな病気をした際の医療費への備えなども考慮しておく必要があります。

将来の資金不足に対する不安を減らすためにも、できるだけ早い段階から対策を講じることが大切です。

NISAやiDeCoといった税制優遇制度を活用して、計画的に資産形成を始めることをおすすめします。

※老後の不足額は世帯の収入・支出や資産状況によって異なるため、公的年金の見込額と自身の生活費を個別に比較する必要があります。

Q. 転職を繰り返すと厚生年金の受給額は減ってしまいますか?

転職を繰り返すこと自体が、必ずしも将来の厚生年金の受給額を減らす原因になるわけではありません

将来受け取れる年金額は、生涯を通じた平均年収と、厚生年金保険料を納付したトータルの加入期間に基づいて計算される仕組みが取られています。

転職と年金の関係
  • 転職自体が受給額を減らす原因にはならない
  • キャリアアップで生涯平均年収が上がれば受給額は増加する
  • 離職期間(空白期間)があると加入期間が減り、受給額が下がる要因になる

実際に、転職によってキャリアアップを果たし、生涯の平均年収がこれまでより上がったのであれば、むしろ将来の受給額は増加することになります

一方で、転職活動中に会社に属していない離職期間があり、その間に国民年金のみに加入していた場合は注意が必要です。

会社員として働く期間が短くなるため、結果として厚生年金の加入期間が目減りし、受給額が下がってしまう要因となります。

転職を検討する際は、可能な限り空白期間を作らないよう意識し、ご自身の加入履歴を定期的に確認してみてください。

Q. 専業主婦は厚生年金を受け取ることができますか?

ご自身がこれまで会社員として働いた経験がない場合、専業主婦は自分自身の名義で厚生年金を受け取ることはできません

会社員の配偶者に扶養されている専業主婦は第3号被保険者と呼ばれ、保険料を直接納めなくても基礎年金のみを受け取れる仕組みになっています。

専業主婦の年金
  • 会社員経験がない場合、自身の名義で厚生年金は受け取れない
  • 第3号被保険者として基礎年金を受け取れる(2026年度の満額は月額7万608円)
  • 過去に厚生年金に加入していた期間があれば、その分は上乗せされる

例えば、結婚前からずっと専業主婦として家庭を支えてきた状況を想像してみてください。

将来ご自身の口座に振り込まれるのは、満額で月額約7万円の国民年金のみとなります。

ただし、結婚前や子育てが落ち着いた後に会社員として働き、厚生年金に加入していた期間があれば状況は異なります。

その場合は、加入していた期間と当時の給与に応じた厚生年金が計算され、基礎年金に上乗せして受け取ることが可能です。

配偶者の年金と合わせた世帯全体の受給額を早見表で把握し、不足があれば働き方の見直しを検討してみてください。

例えば、パートタイムで働いて自ら厚生年金に加入するのも一つの有効な選択肢と言えるでしょう。

※所定の加入期間を満たした場合です。

まとめ:厚生年金の受給額を把握して早めに老後の準備を始めよう

老後の不安を解消するためには、まずはご自身の厚生年金の受給額を正確に把握することが非常に重要です。

そのうえで、将来の生活費の不足分に対する準備を今すぐ始めることが何より大切だと言えるでしょう。

公的年金は老後生活の柱となる一方で、税金や社会保険料が天引きされるため、額面通りではないという現実があります。

実際に、手取り額は額面の85%から90%程度になる仕組みが取られており、生活費が不足するケースが少なくありません。

例えば、ねんきん定期便で毎月15万円受け取れると記載されていても、実際の手元に残る金額は13万円弱になる可能性があります。

この差額を認識していないと、いざ定年を迎えたときに家計が赤字に転落し、生活水準を大きく切り詰めざるを得ない状況に陥ってしまいます。

また、マクロ経済スライドという年金の給付水準を調整する仕組みにより、将来の実質的な価値が下がるリスクも考慮しておかなければなりません。

だからこそ、現状の受給見込額をねんきんネットなどで確認したうえで、繰り下げ受給やNISAなどを活用した資産形成を検討してみてください。

早い段階から計画的に資金を育てることで、金銭的な不安を減らし、自分に合った老後生活を目指しましょう。

本記事は、厚生年金に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の税務、社会保険、投資判断、金融商品・不動産取引上の判断を行うものではありません。必要資金、税金・社会保険料、各制度の利用可否、投資成果等は、年齢、収入、家族構成、資産状況、居住地、制度改正、市場環境等により異なります。具体的な税額、制度の適用可否、投資判断、ローン・不動産担保商品の利用については、必要に応じて税理士、社会保険の窓口、金融機関、不動産会社等にご確認ください。

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