投資信託で大損する確率は?失敗する人の特徴と大損を防ぐ対策を解説

投資信託で大損する確率は?失敗する人の特徴と大損を防ぐ対策を解説

投資信託で大損する確率を一概に示すことはできませんが、運用期間や投資先、投資方法によって損失リスクは大きく異なります。

投資信託には元本保証がないため、相場の状況によっては資産価値が下落する可能性があります。

一方で、国内外の資産に分散しながら長期・積立で運用した過去のデータでは、運用期間が長くなるほど年間収益率の振れ幅が小さくなる傾向も確認されています。

また、SNSの情報だけを参考に商品を選ぶ、特定の商品に資金を集中させる、相場下落時に焦って売却するといった行動は、想定以上の損失につながる要因になり得るでしょう。

この記事では、投資信託で大損する可能性や過去の暴落事例、失敗しやすい人の特徴、損失のリスクを抑えるための対策を解説します。

投資信託のリスクを理解し、ご自身の運用目的やリスク許容度に合った資産形成を考える際の参考にしてください。

投資コラムのコンテンツ作成ポリシー

当メディアは、FANTAS technology株式会社が運営する、不動産投資・資産運用の専門情報サイトです。 ユーザーが安心して資産形成の意思決定を行えるよう、以下の方針に基づきコンテンツを作成・運営しています。

▼正確性・信頼性の確保

掲載する情報は、公的機関のデータ、業界団体の公開情報、市場動向レポート、各金融機関の公式情報など、信頼性の高い情報源をもとに作成しています。
また、税制・金融制度に関わる記述については、公的機関や各金融機関の公式情報を参照し、必要に応じてファイナンシャルプランナー、IFAなどの有資格者による確認を行っています。

主な参考文献

▼中立性・公平性の担保

特定の金融商品・金融機関・サービスに偏ることなく、複数の選択肢を比較できるよう配慮しています。 評価・比較・ランキングは、手数料、運用実績、商品ラインナップ、サポート体制などの客観的指標に基づき、独自基準で判断しています。

主な取り組み例 ・独自アンケート調査の実施 ・評価基準・ランキング根拠の明示 ・運営会社のサービスを紹介する場合は、その旨を明記し、外部サービスと同一の基準で比較します。

▼最新情報の更新体制

金融市場・税制・関連制度は常に変動するため、関連法令や制度改正、市場動向に応じて記事を定期的に更新しています。

主な関連法令

当メディアは、特定の金融商品の購入・売却を勧誘するものではなく、また個別の投資助言を行うものではありません。 最終的な投資判断は、ユーザーご自身の責任と判断において行っていただくよう、すべての記事を構成しています。 個別の投資判断に関するご相談は、金融商品取引業者、IFA、ファイナンシャルプランナー等の有資格者にお問い合わせください。

FANTAS technology株式会社 について

FANTAS technologyでは、「テクノロジーの力で、より多くの人に資産運用を届けるウェルステックカンパニー」として、不動産投資・資産運用に関する情報を発信しております。

資産運用に関心を持つ一般のお客様向けにオンラインセミナー「FANTAS study」を実施しているほか、女性のための資産形成メディア「マネカツ by FANTAS」など、ライフステージに合わせた学びの機会を提供しています。

さらに、1口1万円から始められる不動産投資型クラウドファンディング「FANTAS funding」や、AI査定サービス「FANTAS check」、IFAによる資産運用相談サービスなども取り扱っておりますので、気になる方はぜひ以下からご確認ください。

この記事の監修者
新居佳生 新居 佳生 金融コンサルタント

証券外務員一種 、 投資不動産販売員 の資格を持つ金融の専門家。
証券・金融業界で10年以上にわたり、個人富裕層や高所得法人を対象とした資産運用コンサルティングに従事し、延べ1,000名以上の顧客を担当。
その後、超高所得法人向けの税対策や資産運用コンサルティングを経験し、金融商品・保険・不動産を組み合わせた幅広いサービス提供に携わる。
現在は、これまで培ってきた知識と経験を活かし、顧客の資産形成を幅広くサポートしている。

目次

投資信託の損失リスクと過去の暴落事例

投資信託を始めるにあたって、手元のお金が減ってしまうリスクは誰もが気になるところです。

過去の相場変動の歴史を知ることで、万が一の事態にも冷静に対処できるようになります。

ここでは、投資信託における損失の仕組みや、過去の暴落時のデータについて詳しく解説します。

ご自身の許容できるリスクの範囲を把握するための参考にしてください。

損失リスクの概要

投資信託は日々の相場変動の影響を受けるため、一時的な損失が発生する可能性があります。

しかし、過去のデータからリスクの仕組みを理解することで、冷静に対処できるようになります。

投資信託は元本保証がないため損失が出る可能性がある

投資信託は預貯金とは異なり、運用成績によっては投資した金額を下回る元本割れが起こる金融商品です。

集められた資金は株式や債券などの金融市場で運用される仕組みであるため、日々の相場変動の影響を直接受けます。

元本割れの特徴
  • 預貯金と異なり元本保証がない
  • 日々の相場変動の影響を直接受ける
  • 短期的な利益を狙うと損失を被りやすい

例えば、毎月の飲み代を我慢して捻出した大切なお金であっても、市場環境が悪化すれば一時的に価値は目減りします。

自己資金で通常の投資信託を購入する場合、一般に投資額を超える損失を負う仕組みではありません。

一時的なマイナスは、投資を続ける中で発生する可能性があるものだと理解しておきましょう。

ただし、数ヶ月単位の短期的な利益を狙うと、価格変動の波に飲まれて損失を被りやすい傾向にあります。

まずは生活防衛資金を手元に残したうえで、当面使う予定のない余剰資金を使って少額から運用を始めてみてください。

リーマンショックでは一時的に資産が半減した事例もある

歴史を振り返ると、世界的な経済危機によって投資信託の基準価額が下落した事例が複数存在します。

実際にリーマンショックなどでは、株式を主な投資対象とする一部のファンドで、基準価額が大幅に下落した例があります。

暴落時の心構え
  • 大幅下落時こそ、焦らず運用目的に立ち返る
  • 過去の暴落後も数年で元の水準以上に回復している例もある※
  • 家計状況や運用目的、リスク許容度を踏まえて継続の可否を判断する

例えば、100万円を投資していた場合、数ヶ月の間に評価額が50万円まで下がってしまうような激しい値動きです。

自分の資産が半分になってしまう状況を想像すると、夜も眠れないほど不安な気持ちになるのは当然のことです。

このような暴落に直面すると、これ以上損をしたくないという思いから焦って売却してしまう人が後を絶ちません。

しかし、過去のデータを見ると、世界経済は暴落を乗り越えて数年かけて元の水準以上に回復を遂げている例もあります。※

金融ショックが起きた際にも慌てることなく、長期的な視点で相場の動向を見守る姿勢を持つことが大切です。

※回復までの期間や程度は市場環境によって異なります。

長期運用で元本割れリスクは下がる傾向にある

国内外の資産に分散して積立投資した過去のデータでは、運用期間が長くなるほど年間収益率の振れ幅が小さくなる傾向が確認されています。

実際に金融庁の資料などでも、運用期間が長くなるほど成績は安定する傾向にあると示されています。

長期運用による複利効果に加え、積立による購入時期の分散や複数資産への分散投資を組み合わせることで、価格変動リスクを抑える効果が期待できます。

もちろん将来の成果を完全に約束するものではありませんが、時間をかけて運用することは、リスクを抑える方法の一つです。

暴落のニュースを見ると焦ってしまいますが、そこで投資をやめる前に、運用目的や家計状況を確認することが大切です。

目先の値動きに一喜一憂せず、ご自身のライフステージに合わせた資産形成を淡々と継続していくことを検討してみてください。

投資信託で大損してしまう人の特徴と失敗パターン

投資信託で想定外の損失を抱えてしまう人には、共通するいくつかの行動パターンが存在します。

正しい知識を持たずに運用を始めてしまうと、相場の変動に耐えきれずに取り返しのつかない結果を招く危険性があると言えるでしょう。

もちろん、誰しも最初は初心者であり、手探りで資産運用をスタートしていくのは自然なことです。

しかし、過去に多くの人が陥ってきた失敗の傾向を事前に把握しておけば、不必要なリスクを抑えながら、より慎重に運用を続けやすくなります。

失敗を避けるためのポイント
  • 過去の失敗傾向を事前に把握する
  • 生活費を削って無理な金額を投資しない
  • やってはいけない行動を理解する

たとえば、自分の生活費を削ってまで無理な金額を投資に回してしまうような状況は、精神的な余裕を奪う原因となります。

冷静な判断ができなくなることで、わずかな価格下落でもパニックに陥りやすくなる点には注意が必要です。

長期的な資産形成を進めるうえでは、損失につながりやすい行動を理解しておくことが重要です。

以下では、具体的な失敗例とその背景にある要因について詳しく解説していきます。

仕組みを理解せずにSNSの情報を鵜呑みにして商品を選んでいる

他人の発信する情報を鵜呑みにして投資先を決めてしまう行為は、資産を減らす典型的な要因となります。

昨今はインターネット上に魅力的な運用実績が溢れており、自分も同じように儲かると錯覚してしまう人が後を絶ちません。

SNS情報の危険性

他人の発信する情報を鵜呑みにして投資先を決めると、資産を減らす一因になります。

購入前には目論見書を読み込み、自身で納得したうえで判断することが重要です。

実際に、特定の銘柄が急騰しているという話題を目にすると、焦って飛びつきたくなる気持ちはよくわかります。

たとえば、老後資金をコツコツ準備したい人が、短期的な利益を狙うような価格変動の激しい商品を選ぶのは目的と手段が一致していません。

投資信託にはそれぞれ異なる運用方針やリスクが設定されており、魔法のような商品は存在しないという事実を認識する必要があります。

大切な資産を守るためにも、購入前には必ず目論見書を読み込み、どのような仕組みで利益が出るのかを自身で納得したうえで判断してください。

レバレッジ型などのハイリスクな商品を集中して購入している

高いリターンを期待してレバレッジ型の投資信託に全額を投じるような行為は、大損につながるリスクのある危険な選択です。

レバレッジ型は、一般に原指標の日々の値動きの数倍に連動することを目指す仕組みです。

中長期では原指標の騰落率の単純な数倍にならない場合があります。

ハイリスク商品の注意点
  • レバレッジ型は数倍の価格変動が生じる可能性がある
  • 一度の暴落で資産の大部分を失う危険がある
  • 極端なリスクをとる手法は慎重に検討する必要があります

もちろん、短期間で資産を倍増させたいという願望を持つこと自体は決して珍しいことではないでしょう。

しかし、特定のハイリスク商品に資金を集中させてしまうと、一度の暴落で資産の大部分を失う事態に陥ってしまいます。

資産運用では、リスクを抑える方法の一つとして、複数の資産や地域への分散投資が選択肢の一つとなります。

毎月分配型の投資信託を選んで元本を取り崩してしまっている

毎月分配型の投資信託では、運用状況や投資家ごとの個別元本によって、分配金の一部または全部が元本払戻金(特別分配金)となる場合があります。

毎月お小遣いのように現金が振り込まれる仕組みは一見すると魅力的に感じられますが、運用益が出ていない月は注意が必要です。

ファンドのタイプ特徴と注意点
毎月分配型分配金の一部または全部が元本払戻金(特別分配金)となり、個別元本が減少する場合がある
再投資型分配金を出さずにファンド内で再投資し、複利効果を得やすい

分配金の一部または全部が、投資家ごとの個別元本を下回る部分から支払われる場合には、元本払戻金(特別分配金)となり、その分だけ個別元本が減少します。

たとえば、毎月1万円を受け取って喜んでいても、数年後に基準価額を確認したら投資元本が半分に減っていたという事態になりかねません。

長期的な資産形成を重視し、分配金を当面必要としない場合は、収益をファンド内で運用に回すタイプの商品も選択肢の一つです。

目先の現金収入にとらわれず、将来に向けた長期的な資産形成という本来の目的に立ち返って商品選びを行いましょう。

相場が下落した際に焦って狼狽売りをして損失を確定させている

相場急落時に一時的な不安だけを理由に売却することは避け、運用目的や必要資金などを確認したうえで判断することが重要です。

保有している資産の評価額が日々下がっていくのを見るのはつらく、これ以上損をしたくないと焦ってしまう気持ちは当然です。

狼狽売りがNGな理由
  • 売却ボタンを押すことで実際の損失が確定してしまう
  • 過去には、数年単位で回復した市場例もある
  • 一時的な価格変動に一喜一憂せず淡々と継続することが大切

含み損の段階でも時価ベースの資産価値は減少していますが、売却するまでは実現損失として確定していません。

過去の金融ショックを振り返っても、下落した相場は数年単位で回復した市場例もあります。

たとえば、コロナショックのような暴落時でも、家計状況に無理のない範囲で積立を続けた場合、その後の相場回復により損益が改善したケースもあります。

一時的な価格変動に一喜一憂せず、あらかじめ決めたルール通りに淡々と運用を継続していく姿勢を大切にしてください。

借入金やカードローンを利用して投資資金を捻出している人は失敗する

生活に必要なお金や借入金を投資に回すことは、返済負担や生活への影響を大きくするため、原則として避けることが重要です。

他社からお金を借りてまで投資に回してしまうと、毎月の返済義務や金利負担によって精神的な余裕が完全に失われてしまいます。

借金投資のリスク

借入金を使って投資を行うと、返済義務や金利負担により精神的な余裕が失われます。

投資は必ず当面の生活には使わない余剰資金で行い、無理のない範囲でスタートすることが大前提です。

実際に、カードローンの高い利息を支払いながら、それを上回る年利換算での運用利回りを安定して出し続けることは一般に容易ではありません。

手元に資金がないからといって、一発逆転を狙って借金に手を出してしまうと、多重債務に陥る可能性もあります。

投資は必ず当面の生活には使わない余剰資金の範囲で行うことが基本となります。

たとえば、毎月の飲み代を1回分だけ我慢して浮いた5,000円を積立に回すといった、身の丈に合った継続可能な金額設定が理想的です。

まずは自身の家計状況をしっかりと見直し、安全な生活基盤を整えたうえで資産形成の第一歩を踏み出すことを検討してみてください。

投資信託で大損を防ぐための具体的な対策と運用方法

投資信託で資産を減らしにくくするためには、事前の入念な対策と正しい運用ルールの徹底が欠かせません。

金融市場の暴落を正確に予測することはプロでも難しいため、どんな状況になっても焦らない仕組みづくりをしておくことが重要です。

一攫千金を狙ってハイリスクな商品に手を出したりするような売買は慎重に判断することが大切です。

例えば、余剰資金を一度に投資せず、時期を分けて投資することで購入タイミングを分散できます。※

防御策のまとめ
  • どんな状況になっても焦らない仕組みづくりをする
  • 資金を少しずつ時期を分けて運用に回す
  • 時間を味方につけてコツコツと資産を育てる

長期・積立・分散を組み合わせることは、大きな損失のリスクを抑えるための方法の一つです。

以下では、投資初心者でもすぐに実践できる具体的な対策と運用方法について詳しく解説します。

※一括投資より常に有利になるわけではありません。

長期と分散と積立を組み合わせてリスクを抑える

投資信託のリスクを抑える方法として、時間と投資先を分散しながら運用することが選択肢です。

過去のデータでは、長期・積立・分散を組み合わせることで、短期運用に比べて運用成果の振れ幅が小さくなる傾向が示されています。

長期分散積立の効果
  • 時間と投資先を分けることで元本割れリスクを下げる
  • ひとつの国で危機が起きても他の資産でカバーできる
  • 数十年スパンの複利効果で安定したリターンが期待できる

例えば、世界中の株式や債券など値動きの異なる資産に分散することで、特定の国や資産の下落による影響を抑えられる可能性があります。

長期間運用することで複利効果を活かしながら、中長期的なリターンを目指すことができます。

相場が急落した場合でも、家計状況や運用目的に問題がなければ、短期的な値動きだけで判断せず継続を検討することが大切です。

まずは少額からでも構いませんので、毎月一定額を自動的に積み立てる設定を始めてみてください。

ドルコスト平均法を活用して購入単価を平準化させる

定期的に同じ金額で投資信託を買い続けることで、購入時期を分散し、平均購入単価を平準化する効果が期待できます。

この手法はドルコスト平均法と呼ばれており、価格が高いときには少なく、安いときには多く購入できる優れた仕組みになっています。

ドルコスト平均法とは

定期的に同じ金額で投資信託を買い続けることで、価格が高いときには少なく、安いときには多く購入できる仕組みです。

実際に、毎月1万円ずつ購入すると決めておけば、相場が暴落して価格が下がった際により多くの口数を買い集めるチャンスに変わります。

価格下落時に多くの口数を購入できれば、その後に価格が回復した場合、運用成果の改善につながる可能性があります。

日々のニュースを見て慌てて売却してしまう狼狽売りを避けるためにも、感情を挟まない投資スタイルを確立しましょう。

生活防衛資金や投資目的に問題がない範囲で、あらかじめ定めた積立ルールを基本としつつ、家計やライフプランの変化に応じて見直しましょう。

信託報酬などの各種手数料が安いインデックスファンドを選ぶ

運用コストを抑えることは、将来の運用成果を効率的に手元に残すための大切なポイントです。

投資信託には信託報酬と呼ばれる運用管理費用が毎日かかり続けるため、この数値が高いと長期的なリターンを圧迫してしまいます。

ファンドの種類特徴と手数料
インデックスファンド指数への連動を目指し、一般に運用コストが低い商品が多い
アクティブファンド独自の運用方針で指数を上回る運用などを目指し、一般に運用コストが高い商品が多い

市場の平均値に連動するインデックスファンドであれば、アクティブファンドと比べて一般に運用コストが低い傾向があります。

商品を選ぶ際は、目論見書と呼ばれる投資信託の説明書を必ず確認し、手数料の項目をしっかりとチェックしましょう。

信託報酬の水準に加え、投資対象や運用方針、リスクなども確認し、自身の目的に合う商品を比較検討してみてください。

年代別やライフステージに合わせて自身のリスク許容度を把握する

自分がどれだけの損失に耐えられるのかを事前に把握しておくことが、パニック売りを防ぐための第一歩です。

この耐えうる損失の度合いをリスク許容度と呼び、年齢や家族構成、保有している資産額によって一人ひとり異なります。

リスク許容度の考え方
  • 年齢や家族構成、保有資産額によって一人ひとり異なる
  • 20代は運用期間の長さを活かした資産形成を検討しやすい※
  • 退職前や子育て世代は手堅い運用が求められる

例えば、独身で20代の方であれば、仮に一時的な損失が出ても将来の労働収入でカバーしやすいため、積極的に利益を狙う運用が可能です。

一方で、退職を控えた年代や教育資金が必要な子育て世代の場合は、価格変動の少ない手堅い運用が求められると言えるでしょう。

無理な投資は日常生活にも悪影響を及ぼすため、万が一価値が半分になっても生活が破綻しない金額に留めることが大切です。

ご自身の現在のライフステージを客観的に見つめ直し、精神的な余裕を持てる範囲で投資金額を設定してください。

※若年層でも、家計に余裕があり運用期間を長く取ることができる場合は、一定の価格変動リスクを取れることがあります。一方、近い将来に必要となる資金がある場合は、年齢にかかわらずリスクを抑えることも検討しましょう。

投資信託の種類ごとに異なる下落耐性を比較して商品を選ぶ

投資対象となる資産の特性を正しく理解し、暴落に強い商品をバランスよく組み入れることが大切です。

株式や債券、不動産など、何に投資するかによって価格の変動幅やリスクの大きさは全く異なってきます。

資産ごとの下落耐性
  • 株式は景気後退時に値下がりしやすい
  • 債券は株式より値動きが小さい傾向がある
  • それぞれの特性を理解しバランス良く組み入れることが大切

例えば、株式のみで構成された商品は景気後退時に値下がりしやすい反面、国債などの債券は株式より値動きが小さい傾向があります。

高いリターンを期待して株式ばかりに集中投資してしまうと、想定以上の含み損を抱えて精神的な負担が大きくなるかもしれません。

もちろん、リスクを恐れて安全な資産ばかりを選ぶと、インフレによるお金の価値の目減りに対応できなくなる側面もあります。

それぞれの資産が持つ下落耐性を慎重に比較し、ご自身の目的に合ったバランスの良い商品選びを心がけましょう。

投資信託が暴落して含み損を抱えた際に検討したい対処法

投資信託の運用において、相場の下落による含み損は避けて通れない試練だと言えます。

自身の資産残高がマイナスになっているのを見ると、このまま底なしに減り続けるのではないかと強い不安を感じてしまいますよね。

例えば、朝起きてニュースで株価の急落を知り、慌てて証券口座のアプリを開いてしまうような状況です。

このような相場の急変時こそ、一時的な感情に流されず、ルールに基づいて冷静に対処することが大切です。

以下では、含み損を抱えた際に検討できる具体的な対応方法について詳しく解説します。

資産状況を確認して必要に応じてポートフォリオをリバランスする

含み損が発生した際は、まず現在の資産配分を見直して適切な比率への調整を検討することが考えられます。

ポートフォリオとは保有している金融商品の組み合わせのことであり、リバランスとは崩れた比率を元に戻す作業を指します。

リバランスの手順
  • 現在の資産配分を見直し、適切な比率へ調整する
  • 値上がりした資産を一部売却し、安くなった資産を買い足す
  • 特定のリスクに偏ることを防ぎ、相場回復時の恩恵を受けやすくする

この調整を行うことで、特定のリスクに偏ることを防ぎ、相場回復時の恩恵を受けやすくなる場合があります。

実際に、株価が下がった場面では株式の割合が減少し、相対的に債券などの割合が高くなっている状態です。

例えば、株式と債券を半分ずつ持っていた場合、株式が下落して4対6の比率に崩れることがあります。

その際は、値上がりした債券を一部売却して安くなった株式を買い足し、元の5対5の比率に戻す調整を行います。

ただし、頻繁に調整しすぎると売買手数料や税金がかさみ、かえって運用効率を落とす点には注意が必要です。

年に1回や比率が5%ずれた時など、あらかじめルールを決めて冷静に資産状況を確認しましょう。

プロスペクト理論を理解して感情的な狼狽売りを回避する

相場が急落した場面では、焦って保有資産を手放す狼狽売りを避けることが何よりも重要です。

この心理的傾向は、行動経済学のプロスペクト理論において『損失回避バイアス』と呼ばれています。

プロスペクト理論とは

人間が利益を得る喜びよりも、損失の痛みを大きく感じる心理的傾向のことです。

この心理が強く働くと、一時的な下落に耐えきれず底値付近で売却して自ら損失を確定させてしまう原因になります。

例えば、50万円の含み損を見た瞬間にパニックに陥り、将来の回復を待たずにすべて手放してしまうようなケースです。

もちろん、当初の運用目的から大きく外れてしまった場合や、生活資金が枯渇しそうな場合は売却を検討する余地もあります。

相場は波のように上下を繰り返すものだと割り切り、感情に振り回されずに静観することが重要です。

暴落時の積立継続は損益改善につながる可能性がある

含み損を抱えている苦しい期間であっても、相場下落だけを理由に積立を停止せず、継続を検討する選択肢があります。

投資信託の価格が下がっている時は、同じ金額でより多くの口数を購入できる局面でもあります。

暴落時に積立を続けるメリット
  • 同じ金額でより多くの口数を買い付けできる
  • 平均購入単価を下げる効果がある
  • 相場が元の水準まで戻らなくても少しの回復で損益が改善する可能性がある

価格が高い時に少なく、低い時に多く購入するドルコスト平均法には、平均購入単価を平準化する効果があります。

平均購入単価が下がった場合には、以前の高値まで戻らなくても損益が改善する可能性があります。

一方で、手元の生活防衛資金まで投資に回してしまうと、日々の生活が苦しくなる点には注意が必要です。

生活防衛資金を用意でき、投資目的や家計状況に変化がなければ、自動積立を継続することも検討しましょう。

自身の投資判断に迷った場合はIFAなどの金融の専門家に相談する

自分一人での判断が極めて難しいと感じた場合は、金融の専門家にアドバイスを求めるのも有効な手段です。

IFAは、特定の金融機関に直接所属せず金融商品の仲介や助言を行う事業者です。※1

相場が不安定な時期は、ネット上の様々な情報に振り回されてしまい、何が正しいのかわからなくなる状況に陥りがちです。

専門家に相談する場合は、過去データやライフプランを踏まえた助言を受けられることがあります。※2

プロの意見を聞くことで、焦りによる誤った売買を防ぎ、長期的な視点を取り戻すきっかけになる場合があります。

例えば、子どもの教育資金として運用しているお金について、今のペースで問題ないかを冷静に診断してもらうことができます。

相談する際は、自身の運用目的や許容できるリスクの範囲をあらかじめ整理して伝えることが大切です。

不安で夜も眠れないような状態であれば、無理に一人で抱え込まずに専門家の力を借りてみてください。

※1 IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)には、金融商品仲介業者として証券会社等から委託を受け、金融商品の提案・仲介を行う事業者などがあります。相談先を選ぶ際は、報酬体系や所属金融商品取引業者、利益相反の可能性も確認しましょう。
※2 報酬体系や取扱商品、利益相反の有無も確認しましょう。

投資信託で大損することに関するよくある質問

投資信託の運用を検討する際、多くの方が共通して抱く疑問や不安が存在します。

特に新しい非課税制度の活用方法や、相場が急変した際の適切な売却タイミングについては、判断に迷う場面が多いと言えるでしょう。

以下では、投資信託の運用において特に質問の多い項目について、一つずつ詳しく解説します。

Q. 新NISAで大損する可能性はありますか?

新NISAを利用して投資信託を運用した場合でも、相場環境によっては元本割れによる損失が発生する可能性は十分にあります。

新NISAはあくまで利益に対する税金が免除される非課税制度であり、運用成績そのものを保証する仕組みではない点に注意が必要です。

新NISAのリスク

新NISAは利益に対する税金が免除される制度であり、運用成績そのものを保証するものではありません。

相場環境によっては、通常の口座と同様に元本割れによる損失が発生する可能性があります。

実際に、購入した商品の価格が市場の動向によって下落すれば、通常の口座と同じように資産の評価額は減少します。

例えば、非課税枠を使って100万円を投資した直後に相場が急落し、評価額が80万円になれば、手元の資産は目減りすることになります。

利益が出た場合に運用益が非課税となるため、長期的な資産形成に活用できる制度の一つです。※

制度のメリットとリスクの双方を正しく理解したうえで、長期的な視点を持って資産運用を継続していきましょう。

※元本保証はなく、NISA口座の損失は課税口座との損益通算ができません。

Q. 投資信託の損切りをする適切なタイミングはいつですか?

長期的な資産形成を目的として積立投資を行っている場合、基本的には一時的な下落で損切りを行う必要はないケースも多いです。

相場が急落して含み損を抱えると、「これ以上資産が減る前に手放したい」と焦る心境になるのは自然なことです。

損切りに関する考え方
  • 長期積立投資では一時的な下落で損切りを行う必要はない
  • 損切りすると相場回復による利益を得る機会を手放すことになる
  • 安く多くの口数を買えるチャンスと捉えて積立を継続する

しかし、一時的なマイナスに耐えきれずに損切りしてしまうと、その後の相場回復による利益を得る機会を自ら手放すことになります。

例えば、過去の大きな金融ショックで価格が半分近くまで落ち込んだ際も、数年後には暴落前の水準を上回って成長を続けてきた歴史があります。

価格下落時には同じ金額で多くの口数を購入できるため、家計状況や投資方針に問題がなければ、積立を継続する選択肢があります。

もちろん、急な病気や失業などでどうしても現金が必要になった場合は、迷わず解約して生活資金に充てることが最優先です。

Q. 投資信託を放置して何年経てば利益が出やすくなりますか?

過去の試算データでは、国内外の株式と債券に分散して積立投資した場合、20年間保有したケースは5年間保有より年間収益率の振れ幅が小さくなっています。

過去の金融庁が発表したデータなどを参照すると、投資期間が長くなるほどリターンの振れ幅が小さくなり、元本割れのリスクが減少する傾向が示されています。

もちろん未来の相場を完全に予測することは誰にもできないため、必ず利益が出ると断言することはできません。

長期・積立・分散を組み合わせることで、過去のデータでは運用成果の振れ幅が小さくなる傾向が確認されています。

数年単位の短い期間で結果を出そうと焦るのではなく、ご自身のライフステージに合わせてじっくりと資産を育ててみてください。

Q. プロが運用する投資信託でも損失が出るのはなぜですか?

投資信託の運用を担うプロの専門家であっても、市場全体を巻き込むような経済危機や暴落を完全に回避することは不可能です。

ファンドマネージャーと呼ばれる専門家は、集めた資金をルールに従って株式や債券に配分する役割を担っていますが、市場の価格変動そのものをコントロールできるわけではありません。

プロ運用の注意点
  • プロであっても経済危機や暴落を完全に回避することは不可能
  • 世界中の株価が下落する局面では基準価額も連動して下がる
  • プロに任せているからといって無条件に資産が増え続けるわけではない

そのため、世界中の株価が連鎖的に下落するような局面では、どれほど優秀なプロが運用していても基準価額は連動して下がってしまいます。

例えば、リーマンショックのような世界的な金融危機では、株式市場などの大幅下落を受け、多くの投資信託で基準価額が下落しました。

プロに任せているからといって無条件に資産が増え続けるわけではない点には、あらかじめ注意が必要です。

一方で、投資信託を利用すれば、個人では直接保有しにくい多数の資産へ分散投資しやすくなる場合があります。※

投資信託の仕組みと限界を正しく理解し、ご自身のリスク許容度に合った商品を慎重に選ぶようにしましょう。

※リスク水準は商品の運用方針によって異なります。

まとめ:投資信託の大損は長期分散積立と正しい知識で回避しよう

投資信託で大きな損失を被るリスクは、長期・積立・分散の考え方と正しい知識を取り入れることで抑えることが期待できます。

実際に、世界中の株式や債券に資産を分散し、時間をかけて毎月一定額を積み立てることで、相場変動の影響を和らげることが可能です。

これにより、元本割れという投資した金額を下回るリスクを抑える効果が期待できます。

例えば、家計に無理のない範囲で毎月1万円を積み立てることは、中長期的な資産形成を始める方法の一つです。

もちろん、運用を続けていれば一時的に資産残高がマイナスに転じる局面も訪れます。

一時的な下落に直面しても、「もう投資はやめよう」と感情的に判断せず、決められたルール通りに淡々と買い続けることが重要です。

正しい知識を持ち、時間を味方につけることで、大きな損失リスクを抑えることを目指せます。

目先の値動きに一喜一憂することなく、ご自身のライフステージに合わせた資産形成を今日から冷静にスタートさせましょう。

本記事は、投資信託に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の税務、社会保険、投資判断、金融商品・不動産取引上の判断を行うものではありません。必要資金、税金・社会保険料、各制度の利用可否、投資成果等は、年齢、収入、家族構成、資産状況、居住地、制度改正、市場環境等により異なります。具体的な税額、制度の適用可否、投資判断、ローン・不動産担保商品の利用については、必要に応じて税理士、社会保険の窓口、金融機関、不動産会社等にご確認ください。

contact

お問い合せ