中途入社

宮廻 興太

テクノロジーディベロップメント本部
シニアリーダー
SCROLL

テクノロジーの力で不動産業界にイノベーションを起こす──エンジニアの挑戦

金融系企業向けシステムの開発、ブロックチェーンの研究開発、クラウド環境の移行に関する検証作業などさまざまな経験を積んできたエンジニアの宮廻 興太(みやさこ こうた)。エンジニアとしての成長だけでなく、事業に貢献している実感を求め、2019年にFANTAS technology株式会社(以下、「FANTAS」)に参画しました。

テクノロジーの力で不動産業界での業務に変化を起こす──感じたやりがい

不動産業界では契約書やFAXなど紙を用いたアナログな業務が多くを占め、他業界に比べてデジタル化や業務の効率化について遅れがあります。
たとえば、「マイソク」と呼ばれる図面入り不動産広告は、業者間の取引において必要不可欠な存在です。ただ、各不動産業者が独自の自由なフォーマットで製作してきたことや、印刷の繰り返しによる劣化が原因で、従来のOCR(※1)では読み取りが困難とされていました。マイソクの自動読み取りが実現できれば、不動産業務におけるアナログな作業が軽減でき、業務全体の効率化を図ることができます。

そのためには、マイソクの自動解析WebAPI(※2)など、新しいシステムの構築が急務となり、当時70%程度だった画像解析の精度向上のために大きく2つのことを実施しました。
ひとつは、情報のクレンジングです。画像処理って、事前準備がとても大事なんです。たとえばカラー画像をそのまま処理しようとすると、色の情報があるため、情報量が多い画像になり、処理に時間がかかってしまいます。今回はマイソクに記載されている情報(建物名、家賃、立地、階数など)を読み取ることが目的だったので、二値化を利用して計算コストを減らし、プログラム上で扱いやすくしました。もうひとつは、画像を読み取るアルゴリズムの変更です。効率的に正確な情報を抽出できるよう、計算した座標から特定の情報を抽出したり、文字と文字の間の距離を測ったりすることで、単語かどうかを判断できるようにしました。
その結果、画像解析の精度を高めることに成功し、現場の作業コスト削減や業務全体の効率化を図ることができ、やりがいを感じられましたね。

前職でも契約書を読み取るシステムの開発に携わったことがあります。今回の開発はそのときの経験を踏まえてシステムを再構築しました。読み取る対象のフォーマットが定まっていなかった分、今回の方が難しかったですが、これまで自身が培ってきたことを開発に役立てることができて良かったと思います。
チャレンジ精神が強い性格なので、自身の経験を不動産という新しい領域の事業や業務の効果を引き出すために活用できるFANTASでの取り組みは、やりがいを感じられるものとなっています。

※1 OCR:画像データのテキスト部分を認識してデジタル化する技術
※2 WebAPI:ソフトウェアの一部機能をWeb上に公開し、他のソフトウェアで機能を利用するためのシステム間のインターフェース

自分自身や事業の成長を感じられる環境に身を置きたい──新たなキャリアへ

新卒で入社した企業では、エンジニアとして約5年間勤めました。
当時の業務内容は研究開発や検証作業が多かったので、自分の技術的なこだわりを反映させつつ、定めた目標に到達できたときに大きな達成感ややりがいを感じられる仕事でした。その中でもとくに印象に残っているのは、3年目のときに担当したデータレイク(※3)基盤の構築プロジェクトです。

このプロジェクトは、自分が担当した領域だけで20名規模、他社も含めると全体で150名にもなる大きなプロジェクトで、自分よりも豊富な経験やスキルを持つエンジニアも敬遠するほど難易度の高いものでした。周囲からは「失敗してもいい」と言われるほどでしたが何とか成功に導くことができました。
データレイク基盤の構築には想定以上の情報量が入り、一連のプログラムが止まるといった問題が発生してしまうため、とにかく設計と検証作業に多くの時間をかけましたね。最終的には、当初使っていたEMR(※4)からHadoop(※5)コンポーネント群をコンテナ化して実行する設計に切り替えて、スケーリングしやすくしました。これにより、今も問題なく稼働し続けているようです。

大きなプロジェクトを成功させたことで、エンジニアとしての成長、さらには会社への貢献を強く実感し、その後、より責任のある業務を任されるようになりましたが、年次が上がるにつれて、マネジメント業務や専門性の高い技術を扱うことが増え、変化を感じなくなっていきました。
開発業務の量が減ったこともあり、自身の担っている業務が会社に貢献しているという実感が少なくなってしまったんです。それからは日々、もっと自分自身や事業の成長を感じられる環境に身を置きたい、新しい挑戦をしたい、開発したものが事業に貢献している実感を得たいと思うようになり、それらが実現できる会社への転職を考え始めましたね。

※3 データレイク:収集した情報を元のまま多様な形式で蓄積でき、蓄積した情報を分析などに活用するための加工なども行える環境
※4 EMR:オープンソースのツールを使用して膨大な量の情報を蓄積・分析するためのクラウドプラットフォームで、Amazon Web Serviceが提供するサービスのひとつ
※5 Hadoop:膨大な量の情報の蓄積・分析を分散処理によって実現するオープンソースのフレームワーク

良い意味でイメージを裏切られた──エンジニア部門の魅力

そして2019年、 “事業会社であること”“新しい技術を活用していること”“ベンチャー企業であること”という3つの軸で転職活動を始めました。

これまでの経験を活かせる企業を中心に選考を受けましたが、年齢を問わず実績を残している社員に裁量権が与えられていて、チャレンジできる環境がある。そこに魅力を感じ、FANTASへの入社を決めました。
ただ正直なところ、入社前は労働環境についてあまり良いイメージを持っていませんでした。不動産業界というこれまでとはかけ離れた業界、かつ、エンジニア部門はFANTASの中で新しく立ち上がった新設部門だったので期待していませんでしたが、想像以上にエンジニアが開発に打ち込める環境が整っていました。さらに、2020年のオフィスリニューアルではエンジニア専用のスペースができて、ますます開発に集中できるようになりました。それだけテクノロジーに力を入れて業界を変えようとしている強い意志を感じています。

そして、一緒に働くメンバーからも新しい刺激を受けています。
これまでさまざまな業界で経験とスキルを培ってきたメンバーから多くを学んでいます。専門的なスキルだけでなく知識も豊富で頼りになる方たちと一緒に仕事をする中で、自分とは異なる視点や新しい知識などを自然と身につけられることもいい刺激になっています。自身の成長を日々実感していますね。

エンジニアの枠組みにはまらない──FANTASで描く未来

これまではエンジニアとしての成長を考えて業務に取り組んでいたのですが、FANTASのエンジニア部門の共通認識である『自分のこだわりを貫いたところで、使用してもらえないと意味がない』という考え方に刺激を受け、ユーザー側の使いやすさを第一に考え、サービスの提案からそのリリースまでのすべての工程に携われるようになりたいと考えるようになりました。

“エンジニア”という枠組みの中にはまるのは嫌だという想いがあるので、多方面から新しい知識やスキルを獲得して、エンジニアを主軸にしながらプロダクトのグロースを図ることにも挑戦していきたいです。テクノロジーの力でFANTASの事業を進化させ、不動産業界にイノベーションを起こすことができる、そう信じています。

最近はxR(※6)全般に興味を持っていて、中でも注目しているのはMR、SRです。興味を持ったきっかけは趣味なんですが……実はホラーゲームが好きで(笑)。どのような製品があって、技術がどのように使われているのかはよく調べていますね。
もちろん、趣味を追求するだけでなく仕事にどう活かせるか、ということも考えていますよ。たとえば、不動産業界においては、直接現地に出向くことなく内見できるVRなどの需要が高まっています。5Gが普及することで、今後、不動産業界においても現実体験を変化させていけるのではないでしょうか。想像するだけでとてもワクワクしますね!

今後もエンジニアの枠組みにとらわれず、多方面から新しい知識やスキルを獲得してい期待です。そして自身が成長し続けることで、事業を成長させたいという目標を掲げてFANTASと共に、自らをアップデートし続けていきます。

※6 xR:VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)、SR(代替現実)などの総称

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