2021.08.02 PRESS

【Release】FANTAS technologyと近畿大学による共同ワークショップを開催 再建築不可・築70年超・接道無しの「空き家」利活用を立案 〜資産価値無しとされる空き家に、ゼミ生26名が6つの利活用アイデアを創出〜

テクノロジーの力で不動産マーケットに新たな顧客体験を足すFANTAS technology株式会社 (本社:東京都渋谷区、代表取締役:國師 康平、以下「FANTAS technology」)と近畿大学 経営学部 布施 匡章教授のゼミナールは、社会課題である空き家問題の解決策を考えるワークショップを2021年6月28日(月)から全3回に渡りオンラインにて開催しました。今回はその実施レポートをお届けいたします。

背景

2021年6月28日(月)リリースを参照
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000083.000023490.html

実施概要

名 称 :特定の空き家の課題解決に向けたワークショップ
参加者 :近畿大学 経営学部 布施ゼミナール ゼミ生26名
FANTAS technology 事業開発グループ「FANTAS repro」事業部 一同
開催形式:オンライン
開催日 :2021年6月28日(月)、7月 5日 (月) 、7月12日(月)

ワークショップの目的

1. 空き家問題の解決に向けて、学生目線での柔軟な視点とアイデアを取り入れ、新たな空き家活用や地域再生の活路を見出す。
2. 学生の空き家問題への興味・関心を高め、積極的な関わりを推進する。
3. 空き家という題材を活用し「”誰か”の課題に踏み込む」ことで、当事者意識を持って考える体験を提供し、学生達の「Will」の芽を育て、ビジネス創出に向けた第一歩のサポートをする。

Day1(2021年6月28日(月)15:00 ~ 17:00)

ゼミ生26名が6チームに分かれ、接道(※)していない密集地の空き家(築70年超)を題材に、誰のどのような課題があるのか議論しました。仮説を立て、その課題に対して、どのような調査方法でアプローチするか検討し、チーム毎に発表しました。

(※)都市計画区域内で建物を建てる場合、原則として幅員4m(特定行政庁が幅員6m以上を道路として取り扱う区域は6m以上)の建築基準法上の道路に、2m以上接していなければならない。

<当日の流れ>
・概要説明(10分)     :3日間のテーマ/流れについて、課題解決の他社事例の紹介
・空き家物件情報共有(5分) :登記簿などの物件情報、外観・内観などの現地写真
・ディスカッション①(15分):①誰の<Who> ②どのような問題<What>があるか課題出し
⇒全体共有(30分)    :各チームの課題について発表
・ディスカッション②(15分):調査方法<How>
⇒全体共有(30分)    :各チームの課題調査方法について発表
・次週ワーク内容の共有(5分)

▲題材となった空き家(東京都大田区)

▲間取り図

 

空き家問題への課題に関する学生達の案(一例)

・近隣住民の「火災・倒壊などの危険」「犯罪の危険」という課題があると想定し、近隣住民の方に以下をヒアリングする。
①近所に空き家があることについてどのように考えているのか、不満や困っていること
②空き家がどのような施設に変わったら嬉しいか
・過去の事故や活用事例、写真では見えなかった柱など、物件の細かい部分の状態などの現地調査を行い、この物件のリフォーム費用を算出する。

Day2(2021年7月5日(月)15:00 ~ 17:00)

Day1の課題出しや調査方法を検討する中で、学生達から物件の詳細調査をしたいという要望があり、実際に空き家のオンライン内覧を実施。建築士が説明を行いながら、物件の詳細な状態を確認しました。また、物件担当者より、所在地周辺の土地の歴史や密集地の問題、前の所有者の想いや売買の経緯などを解説しました。物件の詳細情報や土地の背景を知った上で、前回の仮説を再度検証し、フレームワークを用いて、本物件の利活用方法を検討しました。

▲オンライン内覧の撮影の様子

 

▲物件担当者の話

 

<当日の流れ>
・オンライン内覧(90分) :建築士の解説を交えた空き家の現地調査+質疑応答
:担当者による、物件所在地の歴史や売買の経緯等を解説
・ディスカッション(50分):フレームワークを用いて、空き家の利活用方法を検討
・次週ワーク内容の共有(5分)

当日出た質問の一例

Q:リフォーム費用はどれくらいかかりそうか?
A:どれくらい修繕するかにもよるが、住める状態にするためには最低でも1,000万円はかかる。
Q:リフォームの際に何か法律で制限はあるか?
A:再建築不可だが、木造2階建てであればリフォームの際に届出は不要である。増築はNG。
Q:耐震補強はされているか?
A:建物も古く増築を繰り返しているので、現状がどうなっているか精密調査を実施し、現況を把握した上で適切な工法を選択することが必要。耐震補強の費用は、工法によるが、平米数あたり1.5万〜2万円ほどである。

Day3(2021年7月12日(月)15:00 ~ 17:00)

フレームワークを活用し、各チームが考え出した課題解決に向けた利活用方法を発表しました。その後、近畿大学 経営学部 布施教授と当社 事業開発Gr マネージャーの梅本よりFBを行いました。今回は、接道していない空き家だったため「再建築不可」という厳しい条件が課された中で、物件と周辺地域の特性を活かした、個性豊かな6つの空き家の活用プランが生まれました。

<当日の流れ>
・チームディスカッション(15分):発表者、発表方法などの再確認
・チーム発表(90分)  :各チーム約15分(発表7分、FB+質疑応答7分)×6チーム
・講義(10分)     :FANTAS technologyより「空き家問題解決」に向けたレクチャー
⇒全体共有(30分)  :各チームの課題について発表
・まとめ        :3日間の振返り

空き家問題への課題に関する学生達の案(一例)

参加ゼミ生へのアンケート

・東京などの都会にも空き家があることに驚きました。
・修繕費が予想以上に高くついて驚いている。ブレーカーの種類も複数あるとは知らなかった。
・再建築不可という仕組みは初めて知りました。建築について調べたので勉強になりました。
・空き家になった・なりかけている原因を調査し、それを阻止する取り組みをしたい。
・実際に課題が解決された空き家を利用してみたい。
・空き家問題を解決して最大の成果を挙げた例を知りたい。

近畿大学 経営学部 経営学科 布施匡章教授

<プロフィール>
大阪大学大学院 経済学研究科 博士後期課程 修了。博士(経済学)。
一般財団法人関西情報センター研究員を経て、
2013年より近畿大学 経営学部 経営学科 准教授。
2019年より現職。
著書:『DX時代のサービスデザイン』丸善出版 2021年3月

<コメント>
空き家問題というと政策的な議論が多いですが、今回のワークショップでは、東京都大田区の実在する空き家について「誰かの課題に踏み込む」議論ができた点が、学生にとって大きな経験でした。現地とライブカメラで繋いでのオンライン内覧は良い刺激になりました。
学生の空き家活用アイデアについては、誰かのためのデザインは悪くないものの、本当に自分が当事者となって実行する熱意が少し足りていない印象でした。今後の弊ゼミの課題でもあります。
FANTAS Technologyの皆様、素晴らしいワークショップをありがとうございました。

FANTAS technology 事業開発グループ マネージャー 梅本征吾

<コメント>
空き家問題は社会課題として注目を集めていますが、空き家で困った実体験をした学生は少ないと思います。ですが、今後その空き家を相続するであろう学生がもっとも困る世代であると感じています。
我々FANTAS Technologyのメンバーは、空き家問題に取り組むうえで、いつか課題に直面する学生を早期に巻き込む必要があると感じていながら、なかなか学生との接点を持てていませんでした。
今回のワークショップで、まだ空き家で困っていない学生が問題について考え、未来の自分が相続するかもしれない空き家について気づき、解決に向けた意識をもってくれたことが嬉しかったです。
布施教授には、このような貴重な機会をいただき感謝しています。ありがとうございました。

FANTAS reproについて

空き家・中古戸建て物件の紹介や、入居にあたって必要となるリフォーム費用をシミュレーションできるサービスです。物件ごとの修繕箇所やリフォーム費用などを即時算出し、住まいとして利用するための総費用を見える化します。
空き家等の中古でも安心できる理想の住まいを探したい購入者と、要修繕リスクを低減し、収益性を高めたい空き家・中古戸建て取扱いの不動産会社の双方をサポート。今後は金融機関やリフォーム事業者と連携し、物件探しから購入、リフォームまでを一気通貫で支援する、空き家購入と心豊かな生活実現のためのマッチングプラットフォームを目指しています。
<URL>: https://fantas-repro.com

 

■本件に関するお問い合わせ
FANTAS technology株式会社 広報担当:小川
E-mail:pr@fantas-tech.co.jp